アルカロイド の実験 (2)


   注) これらは 純粋に化学的興味による実験であり、飲用・服用、また悪用等しないで下さい。 これらの実験は ご自身の責任において行なってください。


  1. カフェインの 抽出実験:


  カフェインは、プリン環を持つ プリンアルカロイドに属する。 1819年、ドイツでコーヒーからカフェインが抽出された。 近年では、医用も含めて、超臨界CO2で抽出して作られている。
  前回、アルカロイドの実験の1.で、紅茶ティーバッグから溶剤抽出法によってカフェイン(C81042、M=194.2、ρ1.23、mp.235−238℃)を抽出したが、収量が0.2gとかなり少なかった。 そこで、今回は カフェインが比較的多く含まれる加工食品の錠剤から、そこそこの量を抽出することにした。

  ● カフェイン加工食品の「カフェイン200」(Amazon)は、カフェイン含有量が1錠あたり 200mgで、一袋100錠入り ≒ 20g 入っている。 その他の成分は、デンプン、シリカなど有機溶剤に不溶性で、飲むとき滑りをよくするステアリン酸も カルシウム塩の形なので 溶剤に不溶性。 そこで、沸点の低い(蒸留しやすい)、溶解能力が大きい ジクロロメタン(塩化メチレン、 bp.39.6℃)で抽出する。 100錠を乳鉢やフードプロセッサーなどで砕いて粉末にし、三角フラスコに入れ ジクロロメタン 60ml加えて、10分ほど撹拌する。 これを 二重にしたコーヒーフィルター+ガラス漏斗(プラ漏斗不可)でろ過し、フィルターに残ったものをもう一度三角フラスコに入れて、さらにジクロロメタン 60ml加えて10分ほど撹拌して 同様にろ過する。

  ろ液をフラスコに入れて、湯浴で溶媒を留去すると、フラスコの内側に 粗カフェインが残る。(留去時のゴム栓は フッ素ゴム栓を用いる。あるいはガラスすり合わせ。) 必要最小限の(と言っても90ml近くになるが)エタノールを加えて、ホットプレートで加温して溶かしきり、ビーカーに入れて放冷すると、カフェイン(無水塩)が再結晶する。引火注意 これをガラスフィルターで吸引ろ過し、シャーレに入れて風乾すると 純カフェインができる。(収量: 約7g、 エタノールにまだ相当残っている。) 温水から再結晶すると、収率は上がるが、1水塩となる。

    
 



  2. エフェドリンの確認実験:


  エフェドリンは 例外的に、環外に窒素を持つ 芳香族アルカロイドに属する。 麻黄(マオウ、特に シナ麻黄)に0.7%程度含まれるアルカロイドで、1885年に長井長義によって単離された。植物体内においては、L‐フェニルアラニンから生合成される。 北米産の麻黄には含まれていない。

  エフェドリンは2個の不斉炭素を持ち、不斉炭素上の立体配位が逆のもの((1R、2S)、(2R、1S))が エフェドリン、同じもの((1R、1S)、(2R、2S))が プソイド(偽)エフェドリンと呼ばれ、鏡像異性体を区別している。 市場に出荷されるエフェドリンは、−エフェドリン(=(1R、2S)エフェドリン)。
  エフェドリンは、気管支喘息に効果があり、プソイドエフェドリンは 鼻づまりに効果がある。 ただし、どちらも副作用として、食欲不振、血圧上昇、体温上昇、不眠などが挙げられる。 筆者も、ためしに麻黄紛 大さじ一杯に湯を注ぎ、コーヒーフィルターで濾して 飲んでみたが、確かにコーヒーよりも強い覚醒効果があった。(味は”クコ茶”のような風味) しかし、眠りが浅くなり血圧が上がった(130→150)ので、すぐに使用を中止した。 葛根湯(かっこんとう)にも含まれる 結構強い漢方薬である。
  近年では より副作用の少ない dl‐塩酸メチルエフェドリンが風邪薬、鎮咳剤として用いられている。

  ● エフェドリン(C10H15NO、M=165.2、mp.38.1℃、 溶解度0.57%(水)、エタノール、クロロホルム、エーテルに可溶)、  塩酸エフェドリン(C10H15NO・HCl、M=201.7、mp.218〜222℃、溶解度5%(水)、エタノールに溶)、  dl‐塩酸メチルエフェドリン(mp.187〜188℃)

  エフェドリン(=フェニル・2‐メチルアミノ・プロパノール)は、メタンフェタミン(=フェニル・2‐メチルアミノ・プロパン)やアンフェタミンと構造が近く、覚せい剤の原料となりうるので、流通はエフェドリン含有量が 10%以下のものまでが許可されていて、それ以上では取り締まりを受ける。 エフェドリン剤服用や麻黄湯を飲んだ後の分解物が同じで、尿検査で 覚せい剤反応が出るので注意(擬陽性)。 スポーツの世界ではエフェドリン摂取はドーピングとみなされる。
  そのため、法的規制の問題があるので、ここでは ペーパークロマトによるエフェドリンの確認実験をするのにとどめた。(結晶や 10%以上の溶液は作ってはいけない)

   

  ● 漢方薬の分析法(「マオウ」の項)により、麻黄粉末0.5gを メタノール10mlと振り混ぜ、ろ過したろ液を、ろ紙を四角に切ったものにスポットし、300mlトールビーカーで1ブタノール:水:酢酸 = 7:2:1 の展開液で展開して(上にラップをかける)、乾燥後、ニンヒドリンをスプレーして 紙に挟んでアイロンで加熱した。 文献によると、紫色が エフェドリンであるが、他のアミノ酸の色が複数現れ区別がつかなかった。
  (* ニンヒドリン液(0.1g/エタノール50ml)は、2週間程度しか日持ちしないので注意。)
  

  ● そこで、100gに量を増やすと同時に、ろ液に6M NaOH 5mlを加えて エフェドリンを遊離させ、ジクロロメタンを加えて軽く振り、水溶性のアミノ酸や多糖類などを除き アルカロイドだけを溶かし込み、分離する。 それを2分し、それぞれ蒸発皿でジクロロメタンを自然蒸発させ、乾いたら一方には濃塩酸を3滴加えて塩酸塩とする。(塩酸を加えたものは、結晶化が見られる。) ただちに、それぞれエタノール3mlに溶かし、ろ紙にスポットして同様に展開し、ニンヒドリンで発色させる。
  結果は、今度は一点だけ濃い紫色が出て、75mmのうちの50mmの所、すなわち Rf 値 = 0.67 となった。 上記の0.5gのものは、上の方にある紫斑点(矢印)がエフェドリンであるということになった。 (文献(漢方薬の分析法)によると、薄層クロマトでは、Rf 値 = 0.35 となる。)





  3. 漢方薬のアルカロイド・アルカロイド様物質:


  (1) ビンロウジ・アルカロイド:

  南アジア、東南アジアで採れる 檳榔(びんろう、小粒のヤシの実の一種)の種子、ビンロウジ(檳榔子)には、アレコリン(C8H13NO2、M=155.2)など 6種類のピリジン・アルカロイドが含まれる。 同じくアレコリンを含む実の方は、石灰を混ぜて噛むなどの方法により摂取され、たばこのニコチンと同様の作用をもたらし、原住民たちは伝統的に眠気ざましや嗜好品、結婚式の贈り物などに伝統的に用いてきた。 しかし、ニコチンと同様に依存性があり、また発がん物質を含む(喉頭がんなど)ので、最近では一部の漢方薬の用途以外では姿を消しつつある。
  アレコリンは芳香のある揮発性油状物質で、水、アルコール、各種有機溶剤に易溶。 薬としては、条虫駆除に用いられる。 ・・・ たばこのような依存性があるので服用しない事!

  ● ビンロウジの粉末 3g + ジエチルエーテル30ml + 10%NaOH 5ml を加え、5分間振り混ぜ、静置し、エーテル層をスポイトで採取する。 ビーカーなどで自然蒸発させ、メタノール1.5mlに溶かし(脂肪分などは溶けずに残る)、ろ過してろ液を取る。 薄層板(TLC、シリカゲル 孔径60Å、80×40mm、ナリカ、モノタロウ)に 3点スポットし、 アセトン:水:酢酸 = 10:6:1 で展開する。 乾燥後に、ヨウ素液(I2/50%メタノール 飽和溶液)を均一にスプレーし、直ちに Rf 値を測定する。( 注) 置いておくとヨウ素が揮発して色が消えていく) 文献より、Rf 値は、0.54〜0.59。
  測定値は、下の方の褐色斑点(矢印)で、Rf 値0.58 であり、アレコリンであることを確認した。

 

  (追記) 25' 2/14
  ドラーゲンドルフ試薬(解説ページ)(次硝酸ビスマス(Bi5O(OH)9(NO3)4)0.5g +1N HCl 2ml +KI 1.5g/70%酢酸23ml)を用いて、第3級、第4級アミンの呈色反応を見る。 アレコリンの窒素は第3級アミンなので、ビンロウジ・エキス2滴、ドラーゲンドルフ試薬2滴/水2mlで黄色の沈殿が生じる。 また薄層板で展開したものに、ドラーゲンドルフ試薬を噴霧・乾燥して、2N亜硝酸ナトリウム(NaNO2)を噴霧すると、はっきりした紫色の斑点となる。 (NO2 + 第2級、3級、4級アミン → ニトロソアミン) 
  (* 同様に、第3級アミン(塩基性窒素)を含む ニコチン、アコニチンなども呈色する。 弱い塩基性窒素の カフェイン、ピペリンなどでは塩酸、硝酸等で酸性を強くすれば発色し、中性のリシニン、テオフィリンなどでは発色しない。)
 

  (2) センブリの苦み成分:

  センブリは、日本においても古くから 苦味健胃薬として用いられてきた。(・・・ うちの爺さんも愛用していました。) その苦み成分は、スウェルチアマリン(C16H22O10、M=374.3)、他で、世界有数の苦み物質といわれる。 スウェルチアマリンは窒素を含まないのでアルカロイドではない。 センブリにはこの苦味以外にこれと言って薬理作用を持つ物質は含まれないので、”苦味”そのものが 脳に作用して、反射的に胃液の分泌を促進すると思われる。(・・・苦味が効きます(?))

  ● センブリ粉末 2g + エタノール10mlと 5分間振り混ぜ、ろ過する。 ろ液を、それぞれ ろ紙と、薄層板にスポットし、 酸酸エチル : 1‐プロパノール : 水 = 6:4:3 で展開し、乾燥後、0.1%フルオレセイン溶液(フルオレセイン0.05gを1N NaOH1mlに溶かし 水を加えて50mlにする)を噴霧し、広域紫外線(水銀灯)に当てて 蛍光の暗く成り具合(λ=238nmの吸収)を見る。 結果は、溶液の濃度が薄いためか 斑点は確認できず、全体が先に進み広がってしまった。 ただ、少なくとも吸光物質は含まれていることは分かった。

  

  (3) ムクナ豆のL‐ドパ(レボドパ):

  ムクナ豆(ハッショウマメ、マメ科)には、L‐ドパ(レボドパ、レヴォドパ5%(3〜6%)も含まれ、元気の出る栄養補助食品(サプリメント)として出回っている。 L‐ドパ(L‐3、4‐ジヒドロキシ・フェニルアラニン、C9H11NO4、M=197.2)は、チロシンから生体内合成され、カテコールアミン神経伝達物質である ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの前駆物質として、健康食品のほか、錠剤としてパーキンソン病の治療に用いられている。 (ドーパミンやアドレナリン単体では、血液脳関門のため脳内に入らない。 L‐ドパの生体利用能は30%、治療には一回100r、5−6時間で効果を失う。) やる気を起こすサプリとしては、ムクナ豆に5%も含むので、一回2g(小さじ一杯)も摂れば充分である。(煎じる、黄な粉に混ぜるなど)

  ● L‐ドパは、α‐アミノ酸(一つの炭素に −NH2と −COOH)としてニンヒドリン反応をすると同時に、2つのOH基(フェノール性水酸基)をもつフェノール類(カテコール)なので、4‐アミノアンチピリンと反応して 赤色に呈色する。(フェノール水溶液:赤色、 レゾルシノール水溶液:赤褐色)
  日局の分析法: ムクナ豆粉末 2gに、アセトニトリル:水:ギ酸=50:50:1 を10ml加えよく振ってL‐ドパを抽出する。 この上澄み5〜10滴を試験管に取り、水2mlを加え、pH10緩衝液(NH3(28%)57ml + NH4Cl 7g /100ml)2滴と、ニンヒドリン液(0.1g/エタノール50ml)2滴加え、3分間加熱すると、アミノ酸と反応して 濃い紫色になる。
  また、抽出液5〜10滴を試験管に取り、水2ml加え、4‐アミノアンチピリン液(1g/エタノール50ml)2滴と 0.1Mフェリシアン化カリウム(酸化剤)2滴を加えると、フェノール性水酸基と反応して赤橙色になり、これにさらに pH10緩衝液2滴加えると、濃い赤色になる。 ムクナ豆には、多くのアミノ酸が含まれるが、他にフェノール性水酸基を持つアミノ酸としては唯一チロシンがあるが量が少なく 水に溶けにくいので、L‐ドパとしてほぼ確定。
   ペーパークロマト(1ブタノール:水:酢酸 = 7:2:1)の結果でも、他のアミノ酸は溶出せず、L‐ドパの1点だけ ニンヒドリン反応(紫色)、兼 4‐アミノアンチピリン反応(赤褐色)が出た。 Rf値 ≒ 0.15。
  
  
   



  4. ブルシン法による硝酸イオンの定量実験:


  ホミカの種子 馬銭子(まちんし)から、ストリキニーネ(毒物)と共に採れる ブルシンC23H26N2O4、劇物)がある。(苦味健胃、強壮剤、 水溶液をなめると非常に苦い) どちらも インドール環を持つホミカ・アルカロイドで有毒。 前回(アルカロイドの実験 4.)、漢方薬用に弱毒化した馬銭子粉末からの収量はよくなかったので、今回は、試薬のブルシン(ブルシン硫酸塩・7水和物)を用いて、JISで定められる NO3の定量法に準じて分析実験をすることにした。

  ● ブルシンの確認実験:

  ブルシン水溶液を作成する。 次の実験も兼ねて、ブルシン溶液(ブルシン硫酸塩・7水和物、(C23H26N2O4)2・H2SO4・7H2O、 M=1013.1、1.284g/100ml水)として作成。 漢方薬の分析法により、このブルシン溶液 1mlに 濃硫酸0.5mlを加え、2M HNO3 2mlを加えると、最初 赤色の溶液となり、次第に赤黄色に変化して、黄色で安定する。
  もう一つの確認は、同じく1mlに 二クロム酸ナトリウム溶液(7.5g/100ml)1mlを加えると、黒褐色の溶液になり、(文献に書かれてある)赤褐色の沈殿はできなかった。



  ● NO3の定量実験:

  硝酸イオンの検出は、ブルシン法論文・1970年)が昔から行なわれ、現在も 工場排水(JIS規格)や下水道、土壌、湖水・河川水などの正式な定量法となっている。
  NO3試験液(KNO3 水溶液) 2ml、上記のブルシン溶液0.3ml を試験管に入れ、試験管を氷水で冷やしながら、濃硫酸 4ml(取扱注意)を 試験管の壁に沿って少しずつ入れてよく振り混ぜ、約60℃で40分間保持し、空冷後 室温で20分放置し、作成した簡易光度計でλ=405nmの吸光の程度を測定する。

  簡易光度計は 中心波長 405nm紫外線ダイオード(φ5、近紫外線)からの光を試験管(φ17×163mm)に通し、PINフォトダイオード(S2506−02、λ=320〜1100nm、浜松ホトニクス、秋月)で受けて、出力電圧をPICで処理し PCグラフィックで表示、画面から読み取る。 発光ダイオードの周りは黒塗り。 出力が大きいので、途中のオペアンプは不要となりPICに直結し、PICのVref+=4.56V、Vref−=0Vでスケール調整する。 デジタルテスターのみでも、PINフォトダイオード出力電圧は計測可能。 (* 近赤外線LEDは、モリブデン法による リン酸測定用に併設、λ=850nm)

  結果は、大体 0.25〜4ppmで 直線の検量線が得られ、測定可能となった。 人の目では分かりにくい薄い黄色でも、機械ではよく区別する。(0.25ppmで飽和したので、もう少し紫外線LEDの抵抗を増してもよいと思われる。)


 

         回路図・PICソフト(.hex)      PCソフト



  5. リドカインの合成:


  前回のベンゾカイン(アルカロイドの実験 5.)に引き続いて、環や骨格に窒素を含み 薬理作用を持つ、アルカロイド様(よう)のもの(alkaloid-oid?)を(合法なものに限り、)合成してみようと思う。 (例えばストリキニーネは、発見されたのは1819年で、1954年に初めて全合成に成功したが、28段階で収率は 0.00006%しかなかったという。最近では6段階、10%程度まで改善されている。)
  2、6‐キシリジンを出発原料として、リドカイン(商品名:キシロカイン、M=234.3、mp.68℃)を合成する方法は、2段階で比較的簡単にでき、ウィキペディアでも報告されている。(キシリジンは 異性体が6種類もあるので、2、6‐キシリジンを作るのは大変である。) リドカインは、アミド型の麻酔薬で、塩酸塩などの水溶液の形で局所麻酔薬に用いられている。


  ● 氷酢酸(反応を穏やかにする 兼 溶媒、bp.117.9℃)60mlに 2、6‐キシリジン((CH3)2・C6H3・NH2、>98%、M=121.2、ρ=0.98、mp.16℃、bp.216℃)12mlを溶かし、これを 氷冷・撹拌しながら クロロアセチルクロリド(Cl・CO・CH2・Cl、98%、M=112.9、ρ=1.42、bp.106℃)10ml(過剰量)取扱注意をガラススポイトで少しずつ加え、30分撹拌したのち、沸騰水浴で30分撹拌する。冷却後、酢酸ナトリウム水溶液(CH3COONa・3H2O 50g/200ml)に投入し撹拌すると、先に塩素の目印がついた中間生成物が得られるので、これを一昼夜風乾してよく乾燥させる。(N-(2,6-ジメチルフェニル)クロロアセトアミド、軽い粉末)

  中間生成物が乾いたら、トルエン(溶媒、bp.110.6℃) 50mlに溶かし、オイルバス(流動パラフィン+二クロム線)で100〜110℃で加熱・撹拌して、ジエチルアミン(C2H5・NH・C2H5、>98%、M=73.1、ρ=0.71、bp.55.5℃)12ml(*過剰量) + トルエン 20mlの混合液を 少しずつ加え、1時間撹拌する。(*この時点で、pH試験紙でアルカリ性であることを確認した。) 副生するHClが過剰のジエチルアミンと結合したジエチルアミン塩酸塩が沈殿するので、ひだ濾紙でろ過して除く。 ろ液を分液漏斗に入れ、水で3回洗って(*1回目の洗い水でジエチルアミン臭を確認した)、ジエチルアミンの残りを除き、それから3M HClを加えて振り、塩酸塩として水層に抽出する。 抽出液を、濃水酸化ナトリウム液に入れて アルカリ性とし(pH確認)、粗リドカインを沈殿させる。 吸引ろ過し、軽く水洗して 乾燥させる。

  (精製) 温ヘキサンに溶解させ、ひだ濾紙で熱時ろ過し引火注意、ろ液を冷却すると 針状の軽い結晶が析出するので、吸引ろ過し 乾燥させる。 収量: 約3g、 (* ジエチルアミンが少ないためにリドカイン塩酸塩がトルエンから沈殿して 一緒に除かれた可能性は、低い。ゆえに、抽出時と精製時にかなり失われた?)
  融点測定の結果は、66℃で、純リドカインの融点68℃よりも少し低かった。(誤差+わずかに異性体の不純物?)

  ● このリドカイン 0.2gに 純水5ml、6M HCl 2滴を加えて溶かすと、塩酸リドカイン4%水溶液となる。(pH=3) これを、少し舐めると、前回のベンゾカインと同じく、苦味と共に、舌の感覚が麻痺する。
  
 




     § ニコチンの止め方:

  タバコを吸い始めると、なかなかやめられなくなるので、あらかじめ吸わないか、早めにやめることをお勧めいたします。(ガンバロー禁酒、禁煙!、禁玉(きんだま、パチンコをやめること(?))

  ・・・・ タバコがやめられないというのは、ひとえに意志薄弱だからでアール。(?) ・・・・・ いや実は、近くの禁煙外来の話によると、誰一人としてやめ続けることができた人はいないそうです。 タバコに含まれるアルカロイドのニコチンは、毒性はそれほどでもないにせよ、脳内に報酬系を形成してヘロインほどの依存性があって、非常にやめるのが困難だからです。(やめることができたら、”我、不可能に勝てり”という本が書けます。(?))

  筆者も、昔吸っていましたが、主にとがめられ、今は完全にやめています。 禁煙の過程で、喫煙の行動記憶が消える3か月までが 勝負でした。 祈って、主の言葉(「まずコーヒーとタバコをとる時間を分けなさい」)を受け取って、それでやめることができました。 コーヒーそのものは特に、主によって禁じられてはいません。

     やめ方 →  2.ニコチン中毒の報酬系の例:




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